こんにちは。
とあるメーカーで海外との仕事に関わって20年超の神高(かんだか)です。
TOEIC IP ONLINE を受ける機会があり、その時に「この方式だと先読みできないじゃん!」と気づきました。
その時のスコアがこちら。
リスニング480点、リーディング435点の合計915点でした。

TOEIC の世界で「先読み」とは、通常、
リスニングセクションのパート3と4において、音声が始まる前、厳密にいえば「ひとつ前の問題」の3つの問題文を読み上げている時間帯に、次の3つの「問題文」と「選択肢」を読むテクニック
を表しています。(注:パート3は2~3名の会話、パート4はスピーチやラジオ放送など)

ちなみに、リスニングパートを解いている最中に「リーディングパート」の問題を読むのはカンニング(不正行為)なのでダメだし、そもそも本来の「先読み」とは違う。

え?最初に英語で問題形式を説明しているときにページをめくるのもダメなんですか?

駄目だよ。例題の解説も、リスニング問題の一部だからね。
それから、問題用紙への書き込みも禁止だ。ときどき、見かけるけど。
高橋くんは職場の後輩です(笑)。
話を戻しましょう。
従来型の TOEIC、公開試験などマークシートで解答する方式において、「先読み」は TOEIC に本気で取り組む人の間では必須のテクニックとされています。
ただ、2020年から始まったオンライン版の TOEIC(トエック、トーイック)では、この技が使えません。
というのも、リスニング問題の解答時間中は次の問題文や選択肢を読むことができないからです。
しかし、なにも絶望することはない。
「先読み」できなくとも、対策方法はあるからです。
今回は、「先読み」できない状態でパート3、パート4を解く上で大事なポイントを3つ、お伝えしましょう。
TOEIC オンラインで先読みできない時の対処方法|間に合わないし、覚えられない、と嘆く前に

パート3、4で先読みができない時の対処方法を3つ、お伝えします。
問題文だけ先に読み、選択肢までは読まないでリスニングを始める|対策①
問題文だけ先に読み、選択肢までは読まないでリスニングを始める。
これが、今回、自分が使った戦術です。
TOEIC を主催する IIBC のサイトで紹介されているサンプル問題を例に考えてみます。
参照:IIBC: TOEIC Listening & Reading サンプル問題: リスニングセクション Part 3
問題文は、以下のように印刷(パソコンであれば表示)されています。
- No. 32 Why is the woman calling?(女性はなぜ、電話をしていますか?)
- No. 33 <英文省略> 男性は女性に何をたずねていますか?
- No. 34 <英文省略) 男性は何をすると提案しましたか?
オンライン版 TOEIC の場合、Part 3 と Part 4 は問題文がパソコンやタブレットの画面に表示された「瞬間」に音声が始まる感覚です。
ほとんど、時間はない。
しかし、実はわずかに問題文を読む「隙(すき)」があります。
それは、「Question 32 through 34 refer to the following conversation.」という「問いの対象」を紹介する、ほんの数秒間。
この間に、問題文だけを一瞬でスキャンしてしまうのです。
わずかな時間で「4つの選択肢」まで読める人も、中にはいらっしゃるでしょう。
ただ、ぼくにはできない芸当でした。
読もうとトライすれば、その間に問題文の放送が始まってしまう。
マークシート方式なら、No. 34 のマークに充てられている時間を使って、No. 35-37 の問題文と選択肢の要点を先に読む、という時間は取れるのですが……。
ということで、「選択肢は捨てて、問題文だけ先に読む」というのが一つ目の対策です。
問題文すら先に読まず、本文を聴きながら問題文を読む|対策②

問題文すら先に読まず、本文を聴きながら問題文を読む。
これが二つ目の対策です。
実は、今回のテスト中、やむを得ずこのパターンを使わざるを得ないケースがありました。
画面が切り替わった直後、パソコン画面に集中できずに音声が始まってしまった場合です。
そんな時は仕方ありません。
- 問題文すら先に読まず、本文を聴きながら問題文を読む
- 何も先に読まず、ひたすら本文の聞き取りに集中して後から問題を解く
のどちらかを選ぶことになります。
そして、ぼくの場合は「問題文すら先に読まず(読めず)、本文を聴きながら問題文を読む」を選びました。
リスクは、あります。
問題文(書かれた文章)に気が取られて、音声が頭に入ってこない可能性があるからです。
ただ、TOEIC には「問題文の順番に情報が出てくる」という原則があり、ガチガチではないにせよ、基本的にこのルールは守られています。
コントみたいに「最後の一言でどんでん返し、会話が全否定される」なんてことはないわけです。
だから、問題文を視界に入れつつ、流れる音声にも集中し、答えが分かったら先にマーク(マウスでクリックするだけ)してしまい、次の情報を探す、という手順で正答を選んでいきました。
先読みができなかった問題群(通常、3問で一つのかたまり)については、追いかけながら聴くことになります。
何も先に読まず、ひたすら本文の聞き取りに集中して後から問題を解く|対策③

何も先に読まず、ひたすら本文の聞き取りに集中して後から問題を解く。
ぼくは極端にこの対策が苦手なのですが、TOEIC 対策を教えるプロ講師の中には、この方法を勧める方もいらっしゃいます。
実際、実社会では会話の前に「選択肢」が用意されることはなく、一つ一つの音声情報をその場で処理していくからです。
ただ、問題は「覚えられない」「頭に残らない」ということですよね。
男女の会話の途中で「次の○○駅で降りて、バスに乗り換えてください」という会話が出てきたとしましょう。
しかし、この○○駅が記憶できなければ正答できない、という問題が出されたら、覚えていない、頭に残っていない時点でアウトです。
せっかく聴きとれたのに、正答率がいきなり25%に落ちてしまいます。
リアルな会話では「 Pardon? Which station? 」で成立する会話なのに……。

悔しいですが、人間の記憶力は、言語の運用能力によって大きく違うそうですよ。
日本語なら長く覚えられることが、英語になると短時間しか記憶が持たない。
たとえば、英語で電話番号を聴き取りながらメモをするときなんか、痛感しませんか?
5239 を「ゴーニーサンキュウ」なら長く覚えられるのに、「five-two-three-nine」とやるとすぐにわからなくなっちゃう、なんて具合に。
ですから、この方式は「英語ができる方」向けです。
パソコンで TOEIC オンラインを疑似体験できるアプリや TOEIC 公式問題集で、一度、試してから本番で使いましょう。
「ぶっつけ本番」で使って失敗したら、引きつるくらいのパニックに陥りますから。
TOEIC オンラインで先読みできない時の対処方法|まとめ

ここまでの内容をまとめておきましょう。
ごめんなさい。
白状します。
パート3(2、3名の会話)とパート4(スピーチやラジオ放送など)はリスニングの中で最も難しく、満点近く取れるようになった今でも、ときに聞き取れない箇所が出てきます。
おそらく聴き逃しやすい「パターン」があるのでしょう。
この一言を把握できなかったばかりに点数を落としたのか!
問題を解きながら、そう感じる箇所がいまだにあります。
だから、TOEIC のスタイルに慣れるまでは、聴き逃しがあったとしても、気にすることはありません。
しかも、出題する側は満点を簡単に取らせないような「勘違い」「思い違い」を起こすテクニックを駆使してきます。
気楽に、勉強を続けていきましょう。
特に職場が TOEIC IP オンラインの機会を与えてくれるなら、積極的に活用していきたい。
TOEIC IP は会社や大学などの団体受験でしか申し込めないシステムですから、受験できる人は環境に恵まれていますからね。
1週間、無料で TOEIC 対策ができるスマホアプリ(解答時間を計るタイマー付き)、なんてものもあります。
バスの待ち時間などスキマで勉強をする社会人なら、たとえ数時間でも試験準備をしてから受けることをおすすめします。